ちょいと啖呵も切りたくなるわ。
 
 
 
■ 関川さんの本に映画についてのそれがある。
 見所は「秋津温泉」を巡る、関川さんらしい粘着質な論評である。
 昭和一桁世代がどんな風に戦後の波を泳いでいったかという、半ば精神と生活の戦後史のようなものと言えばいいだろうか。
 当時の映画人にはインテリが多く、どちらかといえば正統的な文学青年が流れ込んでいたような気配も感じるが、その辺り今は想像する以外にない。
 
 
 
■ 高峰秀子さんの歌う「銀座カンカン娘」の「カンカン」とはどういう意味かということが当時マスコミでも話題になった。
 パンパンに対してカンカンなんですよ、と答えたのは原作者の山本嘉次郎さんである。 有楽町のガード下には闇の女達、いわゆゆるパンパンの集団が集まっていて、中でも「ラクチョウのお時」と言えば少しばかり名が売れていた。
 カストリ雑誌の特集で、インタビューのようなものがあったけれども、それも資料の箱の中に入ったままになっている。