見切千両 2.
 
 
 
■ 見切というと言葉がきついかも知れない。
 が、つまりこれは「程のよしあし」ということではないかと思っている。
 おかしなバランス感覚のようなもので、突っ込み過ぎてはいけない。
 かといって、それを恐れていても仕方がない。
 
 
 
■ せんだって古本屋で、麻雀漫画と言われるものを買った。
 下北沢にあるという伝説の雀師の言行録のようなものなのだが、亡くなったヤクザを美化して描く一連の小説や漫画と同じ系列である。
 若者がいて、その人を師と仰ぐ。
 勝負処の見極めとそれから、についてが、あたかも禅問答のように描かれてもいた。
 
 
 
■ こういう漫画は笑いながら読むものであって、麻雀で人生が語れると思ったら大間違いである。ただし若者達にとっては、その過程で何事かを得たような錯覚に陥ったりする、擬似人生劇場の役割も果たしてもいるのだろう。
 ツマラナイと知るために没頭してゆくということもあるからだ。