冬の雀 3.
■ なんとなく憮然としているので、車を出して氷川丸の辺りへゆこうかと考えた。
やるべきことからの現実逃避である。
この場合、ニコンのF2フォトミックあたりに50ミリF1.2をつけ、フードなしで助手席に置けばいいのだろう。
完全機械式のカメラが、遮断機のようなシャッター音をさせる。
冬だからね。
途中、工業地帯を抜けるからね。
■ F2のシャッターは、川崎のバーチカル・ツイン、W1Sのキックみたいなものである。
クランクが戻るときに出す音。
露出計の指示は角度によっては見えにくいのだが、重たいものだから手ぶれしにくい。 と、クーダラナイ蘊蓄をあれこれ並べ、かろうじて日々すれすれ。