低い雲と夕暮れ。
 
 
 
■ 唐木順三の日本文化に関する本を、ぱらぱらと眺めていた。
 実存的と言われるが、日本浪漫主義との関係について、なにかひっかかるものがあった。かといって、調べてみようというところまでは至らない。
 
 
 
■ 写真を撮ることよりも、対象を調べている時間の方が長い。
 今手元に「アメリカの建築とアーバニズム」(V・スカーリ著:香山寿夫訳:鹿島出版会刊)という本があって、これはいつ買ったものか。
 中にフラット・アイアンビルの画像があったので、ウィスキィ数本分の対価を払った。
 別に資料を調べなくても写真は撮れる。
 デザインもコピーも施すことは可能だけれども、さてではその次の段階へと進んだ場合、包括的な考えが浮かばない。
 つまりコンテンツがばらばらになってしまう。
 
 
 
■ いつだったか、読売新聞大阪本社で講演会を行った。
 そのときの原稿を拙サイトに載せているけれども、検索なのだろうか、毎月根強いアクセスがある。ブランディングとか、ブランド・マネジメントの世界に興味のある方が少なからずおられるのだろう。ある種概念が独り歩きしている側面もあるのだが。
 あそこには具体的な事例や作業の顛末は書いていない。
 が、今やっていることの多くは、その延長線上にあるもので、ひとつの世界観を具体的な商品に結実してゆく作業を含んでいるのだと思う。