バーで値段を聞く。
 
 
 
■ という緑坂を昔書いたことがある。
 酒場のメニューというのは、新聞を読むようにして眺めていいものだが、つまりコストと味とを反芻して判断することになる。
 最近私は、12年とか18年のウィスキィを好まなくなった。
 確かに深い味もするのだが、その深さが僅かに鼻につく、と言えばお分かりだろうか。 
 
 
■ 内田百kenは、いい酒を出されると不機嫌になったそうである。
 なぜなら、普段飲んでいるものが仕方なくなるからだと。
 ま、「一等車の車掌はボイである」と名言を書かれた作家なので、偏屈は素敵だ。