祇園にて。
■ 緑坂の上部の写真について質問があった。
全部に答えるのは長くなるので、例えばその提灯のものについて書いてみる。
■ これは、ニコンのMF、50mm F1.2 というレンズを使った。
新橋界隈の中古カメラ屋で、衝動的に買ってしまう。
新品では手に入らないからだ。
通常、50mmレンズは明るさが1.4というものが普通である。
ライカのLマウントであれば、F2というものも常用される。
これが1.2になると、つまりは暗いところでもシャッターが速く落ちる。
ぶれない、というのが利点であるが、その代わりに、被写体深度がとても浅く、つまりピントを合わせるのがとても難しい。レンズ自体、AFは効かないからだ。
そして、ピントの合っている範囲がかなり狭くなってしまう。
大原の寂光院でツクバイを撮ったものもそれで、寂光院と彫られた文字が、ある部分だけしか読めなくなってしまっている。
でも、それはそれでいいのであって、背後の柔らかいボケを作品化することになる。
■ 確かカメラボディはF100であった。風景ではF5までは要らないな、というのが私のスタンスで、F5に比べると特定の条件のときに明るく写るという露出の癖は、補正をかけることで解消される。
また、デジタル化の過程で多少の露出はいかようにもなってしまう。
AFのボディにMFのレンズをつける。
中央部重点測光しか使えなくなるのが難だが、なにMFのボディの頃は皆中央部であって、補正の按配が違うだけである。
いつだったか、人物を中心に撮るプロカメラマンと酒を飲んでいて、カメラの機種の話になった。
私が伝えると、とても信じられないというような顔をしている。
それでいいんですか、ともいう。