ライカのお作法 2.
■ ロビーでカメラを取り出していたから見咎められたのかも知れず、私にはよくわからないのだが、ともあれバスがきた。
バスに乗ると高い位置から見えるので、隣に並んだ車の運転席がよく分かる。
トヨタの、小さな高級車というべき車種であった。
50代後半だろうか、ご婦人がルームミラーを眺め、髪を何度か直している。
それから思い立ってベルトをしていた。
サイドミラーが畳まれたままになっている。
あのですね、ミラーが。と指さしてみたところでご婦人が私を見上げる筈もない。
信号が変わり、先にいってしまわれた。
■ ライカに入れるくらいだから、特殊な電池なのだろうか。
と、私は入手先を心配した。
そういうものでもなく、ごく普通のコンビニに常備してあるものが二つである。
フィルムも国産。
持っているひとも国産で、ズボンは中国製を履いていた。