1750.
 
 
 
■ 昔、中華街の近くのガス・スタンドに、赤いアルファが停まっていた。
 従業員の持ち物である。
 赤とは言っても、やや朱が入ったそれで、ボディの状態はアベレージ。
 薄くヤレているところがいい味だったと記憶している。
 
 
 
■ 港町のとっぽさというのは独特である。
 いきつけの店がいくつかあるのだが、華僑の女店主はにこりと笑い、年に一度くらい声をかけてくる。
 私は、比較的礼儀正しく食べて戻る。