夏の薔薇。
■ 何時だったか、また新しいメルセデスに3-400㎞ばかり乗っていた。
今度はトランクのある奴で、昔でいう慣らし運転が終わったばかりのものだった。
若干の機材と人を乗せ首都圏を右往左往していたのだが、自分で運転したいと思ったのは初めの行き帰りばかりで、後は助手席で寝たふりをしている。
なんにせよ、新しいものというのはメンテの心配がない。
■ 暫くして地下へ降り、旧い自分の車を引っ張り出した。
10分ほどかけてボディを拭いてやり、ホイルの辺りはスチームかけなきゃ駄目かと次回に廻す。
しかしこんなにハンドルが重かったっけ。ブレーキも真面目に踏まないと効いた感じがしない。サーボが弱いというだけなのだが。
旧い車には、やや硬めのオイルを入れてある。上が50くらいで、今までの経験から価格が高ければいいというものでもないことが分かってくる。どうせ3000kmいかないで換えるのだ。
街中ばかりたらたら走っていると、そのうち曇ったかのようになって、そういうときは夜中の首都高C1を低いギアで一回りする。
カーボンが飛ぶのか、その後は普通に踏んでいると思わぬ速度になったりするので、メーターをよく見ていなければならない。
今時そんなことに気を遣うって、TE27のレビンみたいだなと、私は古い友人の顔を思い出した。クーラーなんて付いてなかった。