God Bless.
■ ハロルド・ロスのことを書こうと思っていたが、読み込みが足りない。
常盤さんの「ニューヨーカーの時代」だったろうか、いくつかロスのエピソードが載っていて、その文体がとても乾いていたのに驚いた覚えがある。
ハメットの晩年の描写みたいだ。
脈絡もなく、そんな風に思ったものだ。
■ かつては流れ者のホーボーで、いくつかの地元紙の新聞記者で、20年代Jazzエイジの真っ最中に、それから一番遠いところにある雑誌を創刊する。
金勘定は自分で思うよりも下手糞で、女に対してもどこかストイックでしかもだらしなく、歯並びの悪い口を開けてポーカーを楽しむ。
けれども仕事には偏執的といって良いほどのめり込んでいく。
■ 編集長にならなければ、私立探偵になっていてもおかしくないような、何処かヤクザで純粋な男。
ポランスキーの映画「チャイナタウン」その予告編に「あの頃、確かにこんな男はいた」というナレーションがあったが、ニコルソンは鼻を切られていた。