不思議の庭。
 
 
 
■ 東京は桜の季節が過ぎようとしている。
 やっと終わってくれるのか、と何故だかわからないが今年は思ったものだ。
 何時だったか坂道を下っていくと小さな川があって、橋桁のあたりが人ごみである。赤信号を渡る波が後を絶たず、赤ん坊を抱いた男性の姿も目立った。
 

 
■ 桜の写真ほど難しいものはないと思っている。
 近くでライト・アップされたそれを眺めていると、それが今では普通のことになっていて、薄桃色か鈍い白色のことなど忘れてしまう。