佇まいについて。
 
 
 
■ しばらく留守にしていたとする。
 忙しく、かまってやれなかったとする。
 猫や犬のことではなく、車や単車のお話である。
 乗り込む前に埃を払い、少し離れたところから眺める。
 そうしたことが出来るのは、仕事や所用で急いでいる時ではなく、空いた時間にということなのだが、そこでまんざらでもないなと思えるかどうか。
 佇まいが気に入るかどうか。
 
 
 
■ 子どもの寝顔みたいなもんですね。
 と、若い彼が言った。
 こんど30になるのだという。
 数年前、嫁さんの写真を見せてくれて、彼女は素っぴんだった。
 私に見せたことが知られたら、叱られたかもしれない。
 時々、いいなと思えればいいんだよ。仕方ないんだから。
 はあ。