砂の岬 5.
 
 
 
■「ハリウッド・バビロン」という本がある。
 何年か前に読んだのだが、半ばパルプ・フィクションのような、あるいは広大なネットの裏道のような作品だった。
 免疫のない10代や20代前半の方にはお勧めしない。
 
 
 
■ かといって、ただの暴露趣味かと言えばそうでもなく、場のもつ危うさやいかがわしさ。それがアメリカの文化や政治体制とどんな風に連なっているのかを読み終わって二週間位してから思い出すようなところも残っていた。
 文体は別として、少しばかり詩的なのである。
 60年代、ケルアックの「オン・ザ・ロード」を誰の訳で読み返すか。
 そんなことも考えてしまう。