Gloria 4.
■ グロリアが50になってもピン・ヒールを履くのは意地だろう。
組織に追われ、スーツ・ケースとリボルバーを抱え逃亡の旅に出る。
6歳の少年と一緒にである。
ホテルの浴室でドレスの皺伸ばしをする。その時の咥え煙草。少し乱れた髪。
■ 舞台はマンハッタン。島以外に出ようという発想がない。そもそも車を持っていないのだ。
これは監督ジョン・カサヴェテスの好みなのだろうが、New Yorkという土地はそこだけで完結している。
例えば東京が羽田の先、大師のPAで区分されているように、川というのはひとつの峠にも似ていた。