ベイ・シティ・ブルース。
 
 
 
■ 小泉さん訳のチャンドラーを読んでいた。
 清水さんなどの訳などとは違い、どちらかと言えば私は斜めに眺めていたのだが、これはこれで良いのじゃないかなという気がしてきた。
 律儀なマーロウもいいけれど、妙齢本格派から眺めた背の高い風情の良い愚か者の可愛さを、この訳は的確にあらわしてもいる。
 登場する女たちの描写はあっさりしていた。
 
 
 
■「ベイ・シティ・ブルース」では男たちの殴り合い、ほとんどリンチに近い場面が出てくる。
 小泉さんの訳ではほぼ直裁であって、それもまた血のなせる技なのかと思ったが口にしてはいけない。