荏川橋。
 
 
 
■ その時間まだ明るく、少し歩くと荏原神社である。
 ここは目黒川だろうか。欄干にもたれていると眼の前に桜の枝が膨らんでいる。
 さっきまで劇場にいた方々なのだろう、三々五々年配の男性女性が連れ立って歩いてこられ、少し離れたところにはひとり不機嫌そうな男性もいた。
 あの方は確かトイレで一緒に並んだ方である。
 水の出し方がそこは特殊で、小さなノブを廻すのだということが分かるまで私も戸惑った。その方も出し方が分からず、しばらく格闘されていた。
 私は川沿いで煙草を吸い、携帯灰皿に吸殻をしまい、缶のコーヒー半分を残そうか漠然としていた。
 
 
 
■ 某月某日。
 芝居を観にいこうと思ったのである。
 久保田万太郎原作「雨空」と「三の酉」
 演出は大場正昭先生。
 お世話になった俳優、役者さんが出ているということもある。
 楽屋に置いてあった簡単なチラシのようなものが、なんのせいか、ひっかかっていたようなところもあり、平日ではあるけれども午後からそんな風に仕度をした。
 青山で人を降ろし、それから一度恵比寿へ出る。風が強い日があったせいか矢印を描いた看板が倒されていた。ビニールのコートを羽織った警備員の誘導に従い地下に車を入れる。
 
 
 
■ 女優さんじゃないから、リーフ・パイでもないよな。
 酒は好きだけど、塩辛じゃ違う。
 ということで、前に食べて旨かったお煎餅にしてみたのだが、選んでいるとどうしても袋がでかくなる。
 おとぼけ豆という名前のものがあって、それも入れてもらった。