Wait Till You See Her.
 
 
 
■ ゆるゆると走っているつもりが、針が真上にあった。
 事務的なトラックが速いのだ。
 一台はフロントに大きな黄色いフォグを点け、ああやっぱりフォグは黄色だよなと考えた。
 あの丸さはシビエだろうか。
 
 
 
■ 何時だったか真冬の雪国の駐車場で、サーブの9-3辺りが停まっていた。
 私は小さな車に乗っていたのだが、ドアを開けて降りると雪が凍っている。
 剣道や合気道で言うところの摺足でじたじた移動しながら、ちらりと眺めると、そのサーブにもフォグが付いている。
 絶壁の頃のサーブなら分かるのだが、どうやって付けたのか、ステーは加工したものかといぶかしかった。
 好きな奴がいるんだな。
 手をハンガーの形にして転ばぬよう移動している私が気にする場合でもないけれど。