波止場にたたずめば。
■ 秋ももう終わりさ。
と、浅川さんの歌は続く。
歌のなかの主人公は車を転がしていて、遠出している。
この歌が確か60年代後半。
いすずのベレGとか、せいぜいがブルの410か510の時代である。
車を持っていること自体、どこか夢のような世界の出来事だったのだが、こうした気分というのは一定の世代以上でなければ分からないものかもしれない。
■ 細い路地の階段を降りていって、いつもの店にいく。
誰も知った顔がなく、たとえば流れている曲も違う。