色気がなければひからびる。
 
 
 
■ 老い方というのはいろいろあるのだろうが、色気がなければひからびる。
 異性へのそれであったり、また内なるアニマ・アニムスに対してだったりもするだろう。
 と、すぐにこういう用語を使うところがまだまだな訳だが。
 
 
 
■ 夏の頃合、久しぶりに友人と会う。
 何年ぶりかと茶をすする。
 必ずしも酒でないところが、そして互いにアイスなんか食べたりするところが更年期手前か最中の男たちで、背後に流れるのが名作「男たちの晩歌」のテーマ曲だったとしても悪くもない。
 男たちはアイス食うのだ。
 
 
 
■ 家族のこと。娘のこと。
 親とそれから配偶者とのこと。
 かさぶたを剥がすかのように、今まで生きてきたことの結果がひっぺがされて、ちりっちりっと音を立てる。