五月闇ちかづく 4.
 
 
 
■ 多分私と同世代なのだろう、あるカメラマンが匿名でこんなことを書いていた。
 例えば一昔前は大型ストロボをスタジオに持ち込むことが、ある種ステータスのようになっていたと。
 もちろん持込料を取られるのだが、それよりも某かの心理的・経済的なメリットがあったからである。
 ボルボであるとかW123、または124なんかのワゴンに乗りスタジオに乗り付ける。
 ゲレンデなんかもいいですね。燃費悪いけど。
 そうすると駐車場のいいところを確保してくれるのだ、という按配である。
 Proboxでは厳しいと。
 
 
 
■ 廻りを眺めると、そうした気分が残っているのはかろうじて40代始めくらいまで。
 それ以下の世代になると、全く違う方向にいってしまっているという。
 その理由は分からないでもないのだが、分かったフリをするのも嘘臭い。
 生きてきた時代とこれからの違いである。
 ピーター・フォンダとニコルソンの違いでもある。