さくらが咲いて旅人である。
■ 昭和7年、山頭火の歌である。
せんだって温い風呂の中で、石寒太さんの文庫を半分ほど読んでしまう。
これは何時買ったものか。
頭だけは洗ったが、身体をそうするのが億劫になってそのままだった。
■ 翌日、また風呂に入りこんどは身体を洗う。
本を読まない夜もある。
そうこうしていると、山頭火の年譜のことなどが思い起こされ、まったくいい気な人生だったのだなと思い至る。
ひとのことは言えないところもすこしある。