ウナ・セラディ・東京 2.
 
 
 
■ 婚期という言葉がまだあった頃、やや片隅に引っかかった妙齢が歌っていたことがある。
 あれは何処だったか。北千住か西葛西か。
 地元の金融機関に勤めていた彼女には弟がいて、少し悪だった。
 せっかく学校にいかせたのに。
 と、彼女は言う。