彼女は三月の指。
■ いたしかたなく酒を嘗めはじめた。
忙しいと書くのは野暮なことだが、一日ネクタイをしているのは疲れる。
みなさん、えらいのだなという按配である。
■ 吉行さんの小説作法に、脇道脇道さらに脇道というものがあって、元の作家は誰だったか。
吉行さんは多分英国のその方に影響を受けたという。
半分ナンセンスに近づいていく。
ナンセンスというのは馬鹿にできないところがあって、理詰めでこられても畏れ多くかしこまって、そのくせ案外に胸に落ちないというところがある。