冬の動物園 2.
 
 
 
■ 〆切というかなんというかが続いて、半分脳が煮えていた。
 いつものことである。
 やや場末に属するあたりの坂道をくだっていて、私はマフラーを巻いていた。
 アクリル100%の安い奴である。
 昔、カシミアのそれはとても高く、大事というか無事に残っているのが何本かある。
 ま、そういうのは置いておいて、気分はアクリルなのだ。 
 
 
 
■ 紫に灰白色とその他の色が混ざっていた。
 マフラーはネクタイと同じで、売り場で、妙齢の売り子さんに選んでもらうのが一番いいと思っている。