SCORSESEの色。 
 
 
 
■ カメラマンや写真家というのは、多分映画好きだと思う。
 自分ではそれ程意識していないものの、今まで観た映画の断片が、記憶の底に沈みこんでいて、あるときに反射的に浮かび上がる。
 映画の文法と、静止画、写真のそれとは全く違うものではあるのだけれども。 
 
 
 
■ 先日、ハスラー2を見返していた。
 スコセッシの映画の中でも、独特のスタンスのそれである。
 主人公のニューマンは50代に入った元ハスラー。
 一度は引退した探偵みたいな役柄だった。
 老眼の描写など身につまされるところもあり、そうでないところもある。
 舞台はニューヨークから中西部の中都市へと流れていくのだが、このいかにもの場末感溢れる風景がいいのである。
 この場合、旅の車はどうしてもキャディでなければならない。