ドサ健メンテ地獄。 
 
 
 
■ という題の緑坂を、何年か前に書いたことがある。
 阿佐田哲也さんの「ドサ健博打地獄」という作品をもじったものだ。
 あのシリーズは文句なしに面白いのだが、つまり世の中がまだそれほど落ち着いてもいず、風来が許されていた時代への郷愁という側面もある。 
 
 
 
■ あるカメラマンがメルセデスに乗っていた。
 もちろんEのワゴンなのだけれども、一年でメンテ費が70を超えたとか嘆いている。
 エアコンと触媒と、後はなんだろうか。オイル・タイヤなどは含まれていない。
 一般に40前後のカメラマンというのは、年間の走行距離が並ではないのだった。
 ま、そういうめぐり合わせだよね、と私は答えた。
 今きっちりやっといて。後で買うから。
 ちょっと待ってくださいよ。ふっかけてやる、とか彼も言う。