責任なき戦場。
■「太平洋戦争日本の敗因4 責任なき戦場 インパール」(角川文庫:NHK取材班編:1993年:文庫は平成7年初版)
インパール作戦というのは、日本的な負け戦の典型のひとつだった。
国営放送のプロデューサー・中田整一氏の筆は、途中やや先を急ぐところもあるのだけれども、映像と文章という表現媒体の差異だと考えれば分からないでもない。
「失敗の本質」という本が中公から出ているが、その各論だと読めないこともなく、このシリーズは書店でみつけると思わず手に取っていた。
■ 日本の軍隊、旧軍というのは補給を馬鹿にするのである。
裏方の仕事。それを徹頭徹尾軽んじていた。
で、青山界隈。例えば円山遊郭辺りで大言ゾウゴするのが常であって、どういったらいいか、国士か壮士気取りである。
そうした細かな積み重ねが「白骨街道」と呼ばれる死屍累々、餓死した兵士の群れに繋がっていく。