男ども 3. 
 
 
 
■ 少年の頃、ふたつみっつ上の先輩には頭が上がらなかった。
 15や16からみれば、18になろうかという先輩というのは、とてつもなく大人にみえたものである。大体髭が濃い。
 そういう先輩の姿を見ながら、大人ってなんだべと各地の方言で呟きながら、背伸びをしていくのが伝統的な青春というものであった。