神の子はみな踊る 2.
■ シュトラウスの「こうもり」を聴きながら、日比谷公園の中にいる。
いて何をしているかというと、雨を避けていたのである。
庭園には薔薇なのだろう、鮮やかな花が何種類か咲き、その名前を覚えようとしない自分に気づく。
■ 交番の裏辺りに灰皿がぽつんと置いてあり、その横に男が一人座り込んで煙草を吸っている。
黒ずんだ顔をしているから、ここに棲んでいるのかも知れない。
隣には中国語で携帯に話しかけている髪の長い男がいた。
広東か北京語か、私にはわからないでいる。