さみだれ 2. 
 
 
 
■ 新型のランクルに煽られた。
 ぴったりと車間を詰めてくる。向こうは背が高く、それに4駆だから、いけるものだと思っている。これが英車の4駆辺りだとまた違った追尾の仕方をするもので、抜く時はもっとスマートに流れる。
 うんざりしたので、2回ほどブレーキを踏んだ。ミラーを眺めながらである。
 2度目はやや長く。踏んでから加速する。 
 
 
 
■ ランクルは見事に車間をあけた。
 私は左に寄り、遅いトラックをパスしたが路面はウェットである。
 ゆるいコーナーを左廻りに過ぎ、広い車線に出る。そこで速度を落とす。
 ランクルの彼または彼女は、ここぞとばかりに加速していく。
 こういう光景、もう半世紀も前から変わらない。
 ブレーキ踏むのも大人気ない。