歴史は少し感情である。 
 
 
 
■ 斗南藩の権大参事だった山川浩の墓は、東京の青山霊園にあるという。
 なかなか立派なお墓で、最後は男爵に奉じられた。
 教育に力を入れたからだとされているが、会津日新館の伝統でもあるのだろう。
 よく通る道ではあるのだが、捜してみようという気にはならない。 
 
 
 
■ こう書くとあちこちに語弊もあるのだけれども、例えば全国に300あったという各藩の歴史について書かれた本を捲っていくと、最後は大抵その藩出身の有名人の名前で終わっている。
 明治維新で高位高官になった男たちを始めとして、現在の閣僚などまで様々だが、いわゆる作家と呼ばれる方々が書かれた本もほとんどそれに倣っているようで、この辺り広告の世界のセンスとそう相違はない。
 勘違いしていただくと困るのだが、そういう感覚というのは何処かで大事だと私は考えてもいる。また少しうんざりもしていた。