暗殺主義第一巻。
 
 
 
■「白川以北一山百文」という侮蔑の言葉を逆手にとって「一山」という号をつけたのは原敬である。出身は東北、盛岡藩家老の末裔であった。
 大逆事件に遡る「赤旗事件」の頃、原は内務大臣で、長老山縣に何度も煮え湯を飲まされていたとその日記にはある。
 
 
 
■ 緑坂読者ならとうにご存知だろう。
 緑坂というのはあちらこちらに話が飛ぶのであるが、通して眺めていただくとある部分で似たようなことを書いている、つもりである。
 それは気配とか傾いた姿勢のようなものかも知れず、この辺りのバランスというのはやや難しいところがある。
 けれども、生理的に少し違っているのだという感覚が身体の底の方にしずかにあって、ゆっくりにじり寄っていこうかとも考えている。