とおりすぎた冷たい風を。
 
 
 
■ 車の中に石川セリさんの曲が入っていて、確か私はシングルで買った覚えがある。
 作詞家の井上さんは詩人だったと記憶している。
 春になり、見知らぬ土地でそれぞれに学校に通う。
 食べるものもそうでないものも、未だ不十分である。
 
 
 
■ 訛りをからかわれ、身内がいないことを何度も思い知らされ、少年はすこしだけ別のものになっていく。
 ふるさとというのは誰にでもある。
 それが消えることも、何度かはあるのだろう。