CHINATOWN.
■ チャイナタウン。とは言ってもロマン・ポランスキーの映画の話ではない。
この頃のニコルソンは、ハゲてはいたが精悍だった。
1年に1度か2度、その予告編を見直したり特定の場面だけを眺めることがある。
■ 雑誌「ニューヨーカー」に寄稿していた女性がNYのチャイナタウンを取材した本が手元にある。グウェン・キンキード著:沢田博/橋本恵訳。93年に時事通信社から出ているものだ。
香港の返還前、映画「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」が上映された辺りのお話で、今読み返せば古くなった史実も、そうでないところもあるのだろう。
堂(トン)という結社の話。
スネークという密入国を手引きする組織の話。
三角地帯、つまりはビルマだが、そこから入ってくるヘロインの話。
ただ金を稼ぐためだけにきて、本国へ送金する。
著者のキンキードは白人のいわゆるインテリ層である。WASPという言葉が今もあるのか知らないが、ハーバードとケンブリッジで学んだというのだからちょっと一杯になるところもある。
■ 久しぶりにこの本を捲っていて、私はチャイナタウンにいきたくなった。
そろそろカメラを持っていってもいいだろうか、というような予感である。
ただその前に、再構築しなければならないようなところもあって、それを数え始めるとうんざりした。