ああ昴よ。
 
 
 
■ 奥羽山脈の辺りは真っ暗だった。
 クルーズを使いながら流れに沿って走る。途中遅い長距離便を抜く時は、ドライバーがこちらを認識していることを確かめてからにした。
 路面は乾いていたので深く踏み込み、併走している時間を短くする。
 短距離を走る4トンなどが早く家に帰りたくて、限度一杯まで飛ばしている。
 あるいはADバンである。現場から戻るのかも知れない。
 彼らは先にいってもらう。
 
 
 
■ そんなことをやっていると、よく友人がカラオケで歌っていた曲が流れる。
 私は大嫌いなはずだったのだが、なんとなく気持は分かるような気になってくる。
 蒼ざめた頬をしていたかというと、そんなこともなく。