12月の花束 4.
■ あるとき病院へいく。
坂の界隈にあるクリニックである。ときどき身体のメンテをしないと保たないこともあって、その日は鼻水が垂れていた。
やや高級なティッシュを数枚ポケットに突っ込み、それをちぎっては片方の鼻に入れて蓋をする。マスクをすればいいのだろうが、肝心なときにはみつからないものである。
■ ひとが集まるところというのは色々と勉強になる。何時だったか出かけた病院とははっきりと客層が違うようだった。
小さな子どもたちがインフルエンザの注射を受けにきていて、何故かは知らないがみなさんヨソイキの服を着ていた。シャネル着ているお母さんもいる。
私はといえば車雑誌を捲りながら一歳に満たない男の子に百面相をしていた。