日の移ろい。
■ という本が島尾敏雄さんにある。
緑坂には何度も書いたが、なんということもなく棚の辺りから取り出して、数頁を捲り、また閉じている。
これには正・続があって、今手元にあるのは続の方である。
中に平泉界隈、東北へ旅行する場面があって、作品に微かな動きを与えていた。
夏の頃。当時車では国道4号。平泉のタクシーはクーラーを装備していず、窓を開けて走る。
■ 環境は上々なのに賢治は何を寂しがっていたのか。
という一節が中に挟まっていた。