かたちから入る。
 
 
 
■ どんな仕事でも、年季の入った方々は一定の風情を持っている。
 なり、または空気のようなものだ。
 レンズ交換が面倒な場合、カメラを2台首からぶらさげることはよくあるが、実はまああまり格好のいいものでもない。
 うちの社長がですね、服装に煩いひとでしてね。
 と、髪を切りにいったところの助手のような彼がいう。
 靴と洋服の話である。
 体脂肪には煩くないのかい。
 と小さい声で言うと、またまたぁと強く肩をもまれた。