海峡。
 
 
 
■ 井上靖さんの同名の小説が手元にあるが、なんとなくまだ捲っていない。
 捲れば、またいきたくなるのが分かっているからである。
 下北半島というのは、列島の果ての果て、なんともいえない突端にあるところであった。
 対岸に見える北海道へ、いっそのこと手を伸ばせばいいのだと、闇の中に廻る風力発電の風車を見ながら僅かに考えた。