旅先のトリス 3.
 
 
 
■ スイッチを押す。
 10年経ったディスポーザーのような音を立てて尻の辺りから泡が噴き出す。
 これを入れると映画のようだとされている粉があることに気づき、わざわざ立ち上がって手に取り、それを混ぜる。
 風呂桶の下あたりにあるモーターの軸が、古くなったメルセデスのブロアモーターのように揺れている。
 
 
 
■ 私は歯を磨いた。
 歯ブラシだけは持参せよと強い教えがあったのである。