河童の川流れ。
 
 
 
■ 長野県に伝わるという民話がある。
 早苗の頃、娘をみそめた河童が、その親である庄屋にいう。
 娘を嫁にくれないと、水を田んぼに流してやんない。
 
 
 
■ 末の娘が嫁入り道具にひょうたんを選ぶ。
 それも馬の背いくつもである。
 これを川の底に沈めておくれ。
 
 
 
■ 嫁ごの頼みとあれば、河童はまかせとけの世界である。
 いいところを見せたい。
 ひょうたんは浮き、河童はヒロウコンパイ。
 それを眺める末の娘。