雲とダークラム。
 
 
 
■ 鎮痛剤を齧りながら、酒を嘗めるというのは矛盾である。
 写真家を名乗りながら、年に数枚も撮らず、TVにだけ出ているというのも不思議なもので、ま、世の中というのはそういうものだった。
 
 
 
■「月山」を書いた森敦さんは50を過ぎるまで、ほぼ放浪の旅をしていた。
 芥川賞を取った「月山」自体、そのとき勤めていた印刷工場へ向かう山手線を何周もしながら、チラシの裏側に綴られていたものだという。