無頼めぐって 4.
 
 
 
■「クラクラ日記」は名作である。
 大きな子供を抱えたような、一方で地に足をつけたしたたかさが控えめな文章の背後から滲んでくる。
 小津監督の作品でも、通俗化された母性のようなものが陰画で見え隠れするのだが、さておき。
 
 
 
■ 途方に暮れた中年もしくは壮年諸氏。
 敵は心で思っていても理解してくれない。