色気なき時代。
 
 
 
■ とある車雑誌が休刊するという。
 80年代半ばに創刊され、ポストモダンの流れに乗って一時どの美容院にも置いてあった。地方へ行けば行くほどである。
 車そのものというよりも、それによる生活スタイルの提案、周辺を扱う記事が得意で、半ば強引な文化論のようなものに特徴があった。
 私はと言えば、新刊で買うことも古本で捜すことも滅多になかった。
 しゃらくさいのが苦手なのと、今の時代、ちょっと読めたものではなかったからである。
 
 
 
■ おそらく、ブランディングにしくじったのだと思われる。
 こう書くと語弊があるが、作り手に色気がないからかも知れない。
 こうした大人になってみたい。
 と、若造や中年に思わせる、気配や覚悟のようなものが希薄になっていったような感じもある。