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■ 半月の頃だった。
 階段を降りてすこし歩き、地下の辺りで車に近づく。
 車でも単車でもそうなのだが、佇まいのようなものがある。
 どこか神経に触ったりいびつに感じたりすると、実際調子が悪いものである。
 ドアを開け、エンジンをかけた。ちょっと長めのクランキングである。