南下する36と43.
 
 
 
■ 渋滞を抜けた頃だった。
 右側をコンボイで走っていく少し古いAMGに抜かれた。
 一台は銀。いわゆるシルバーアローのそれで、どうも尻の辺りがC43臭い。
 見ていると、今度は濃紺のC36が抜けていく。
 お、と眺めていると、フラッシャーを点滅させ、余裕ある身のこなしでするすると遠ざかっていく。
 
 
 
■ そのすぐ後ろを、スバルB4あたりがついていく。
 あるいは車のことをよく識らないパートタイムの4駆SUVが追いすがる。
 今、リッターカーでも平気で170は出るのだし、300馬力超えのワンボックスもあるのだが、金の掛け方はやはり違って、90年代のAMGはどちらかと言えば964の911かBMWのアルピナに近い。
 C36は直6である。4ポットのキャリパー。
 C43になるとV6になって脚が硬くなり、ポットは2つに減らされた。C36がバランスを重視した設定だとすれば、C43はGT・グランド・ツーリングの色合いが濃くなる。
 どちらのブレーキも遥かに上級の車種から移植したものが標準で、真面目に踏めば煽ったつもりの後続車両のドライバーは、心臓が喉元から出掛かる。