葉子とすれちがう_5.
 
 
 
■ その娘は、白いSUVの後部座席から出てきた。
 SUVの中でも分かりやすいそれである。確かノンターボの方だ。
 この図体とタイヤで220は出るのだから嫌になる。刀の1100あたりじゃ勝負にならないだろう。
 運転していたのは母親だろうか、確か女性だとちらりと認識しているのだが、この辺り誰が何に乗っていてもそう不思議ではない。
 
 
 
■ それはそれとして。
 小説の中の葉子というのは、生意気がパンツ履いて歩いているような按配であった。
 そのくせ、馬鹿ジャナイダロウカと思えるほど素直である。