マーラー10番。
 
 
 
■ 強く冷房を効かせた部屋で、続きを聴いていた。
 難解というか、すこし困った作品である。
 マーラー自体がそうなのだが、この複雑な自我は、いわゆる古典的な芸術家の規範に入るものだろう。トーマス・マンのクレーゲルなどを彷彿とさせる。
 
 
 
■ 音楽を聴くに車の中で、という人は多いだろうと思う。
 例えば深夜の高速を西や東に向かうとき、クールズ・コントロールをセットして普段聴かないCDなどを入れる。窓を閉めていれば今の車はほとんど音がしない。
 ややボリュームを上げ、最後まで聴き通すこともできた。
 夜に限る。
 同乗者がいない時である。
 
 
 
■ 私の場合、古典落語だとか文楽とか、そんなものを若い時分に聴いた。
 昭和の懐メロも好きで、カセットからMD、そして今の媒体に変わってきている。