ざらりとした緑坂。
 
 
 
■ 棄景、という言葉がある。
 いわゆるナレノハテなのだが、元を辿っていくと「棄民」という概念の演繹である。
 我が国の歴史をさかのぼると、満州であったり南米であったり、積極的に余剰人口を外に出そうという動きが確かにあった。
 王道楽土、または楽園と呼ばれ、何時か自作農にと夢を語ったものだが、その2世3世は時々戻ってきて、ある種コミュニティを形成する。