風景と男と 8.
 
 
 
■ 勝新太郎さんと高倉さんが初めて共演した映画があった。
 なんという題名の映画だったか、確か「宿無し」というタイトルで、健さんが東映を辞めフリーになったんばかりの作品だと記憶している。
 ラストで二人ともあっけなく死んでしまうのだが、仁侠映画の英雄に飽き飽きしていた時期だったからかも知れない。
 
 
 
■ それはそれとして。
 その映画の中でも、高倉さんはことある毎に「上等じゃねえか」の眼つきをする。
 また出たよ。と、私はにやりとしながら眺めていた。
 ベースがそれなのである。
 別にいいじゃねえか。